第43回日本森田療法学会(The 43rd Annual Meeting of the Japanese Society for Morita Therapy)

  • 会期:2026年9月19日(土)・20日(日)、プレコングレス:9月18日(金)
  • 会場:大正大学(東京都豊島区西巣鴨3-20-1)
  • 大会長:新村秀人(大正大学 臨床心理学部 臨床心理学科)
  • 副大会長:内田裕之(慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室)
  • 事務局長:山市大輔(慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室)

大会長挨拶

第43回日本森田療法学会
大会長 新村 秀人
大正大学 臨床心理学部 教授
会長:新村 秀人 写真

2026年9月19日(土)から20日(日)の日程で、東京・西巣鴨の大正大学において、第43回日本森田療法学会を開催させていただくことになりました。

学会の会場となる大正大学は、仏教5宗派(天台宗・真言宗(豊山派・智山派)・浄土宗・時宗)が連合して設立されている日本で唯一の仏教連合大学です。森田療法の基底に仏教をはじめとする東洋的な人間観があることは明らかであり、本大会を大正大学で開催できることに一つのご縁を感じています。

大会テーマは「森田療法:新しい時代へ」とさせていただきました。森田療法の源流と伝統も大切にしつつ、新しい時代の森田療法について考えたいと思います。

今日、森田療法は外来を中心に行われています。そのため、短時間の保険診療外来で実践可能な森田療法の洗練・発展が求められていると思います。また、オンライン診療、グループ療法、デイケア・プログラム、自助グループといった、さまざまな形での森田療法が展開し、多職種による森田療法アプローチが行われています。適応が拡大しています。うつ、発達症、復職支援、トラウマやグリーフ、身体愁訴や痛み、肥満や糖尿病といった身体疾患に対する森田療法、そして、比較的健康な人のグループ(小学生、中高生、大学生、妊産婦、高齢者)にそれぞれ特異的に見られる不安への森田療法を、さらに模索していく必要があるでしょう。

森田正馬の著作の英訳作業が進んでいます。そこには、古典に立ち帰る・国際的な発展を加速させるという意味もあろうかと思います。研究面では、外来森田療法の技法論の深化があり、関連概念についての尺度の開発が進められています。森田療法のエビデンスの構築が少しずつ進んでいます。森田療法に関する英文論文の出版も増えてきました。他の精神療法・新しい治療法との対話と相互発展が望まれます。

研修について、森田療法セミナーは、入門コースからスーパービジョンのコースまでが、全国からオンラインで受講できるようになり、便利になりました。森田療法のさらなる広がりが期待されます。

世代交代も進んでいます。入院療法を直接体験していない治療者が増えてきました。森田療法とは何か、その内包(「ここまでは森田療法だ」)と外延(「ここからは森田療法ではない」)を考えつつも、少しずつ森田療法の新しい形をつくっていかなければならないでしょう。そして、次世代にバトンを渡していくことも大切です。

本学会は、さまざまな領域で行われている森田療法の臨床実践と研究の成果を、共有し学び合う場です。コロナパンデミック以降のオンラインによるつながりが増えた時代だからこそ、年に1回、皆が集まって、新しく出会い、また旧交を温めることの意味が大きくなっていると思います。多くの皆様のご参加をお待ちしております。